マイルチャンピオンS回顧

1着 ハットトリック ◎
2着 ダイワメジャー △
3着 ラインクラフト


単勝 05 1,180円
複勝 05 310円
     12 360円
     01 230円
枠連 3-6 3,320円
馬連 05-12 3,580円
馬単 05-12 8,040円
ワイド 05-12 1,150円
    01-05   940円
    01-12 1,170円
3連複 01-05-12 7,960円
3連単 05-12-01 63,020円


デュランダルの3連覇は阻まれた。それも単勝1.5倍の支持を受けながら8着という見せ場もない惨敗だ。年齢による衰えと考えることもできるが果たしてどうだろうか。まずこの敗因から考えねばなるまい。
レース自体のラップは12.2 - 10.6 - 11.4 - 11.5 - 11.4 - 11.5 - 11.3 - 12.2。前半のペースは45.7 - 57.1秒という超ハイペース。レース自体は45.7− 46.5で前後半のラップ差がそこまでなく、1.32.1というマイルCSのレースレコード決着となった。本当にタイムの早い決着になった場合、理想は前後半のラップを等しくまとめるもので、今回の場合先行したグループがそれに当たる。デュランダルという馬、その特異な脚質から必ず後半の方が早くなる馬で、自身のこれまでのマイルのベストタイムは1.33.0。今回はメンバー最速の上がり33.2でまとめており、自身のベストタイムも0.5秒縮めている。しかし本当のスピード決着になった時に前半をゆっくり進めるのは実はまずい。大抵は前が止まるものだが、本当のスピード馬が先行してしまった時は厳しい。池添は「いつもの走りになかった」というが、このペースをまくるには32秒台の脚を使わなければならず、いくらなんでもそれは無理というもの。「衰えた」とか「力が出せなかった」といったものではなく、デュランダルにはかわいそうだが「力が足りなかった」ということだ。
勝ったハットトリックペリエが手の内に入れたのが大きかった。予想欄でも書いたが、この馬、最後の一瞬で切れるタイプのようで実はそうではなく、徐々に加速してエンジンがかかるタイプ。秋の天皇賞で作戦ミスだったことをいかし、ペリエは3コーナーからすでに手を動かしていた。京都コースはこれで4戦4勝。京都巧者ではあるだろうが、コースを問わずマイルではよいパフォーマンスを示しており、今後も日本のマイル戦線をにぎわせていくだろう。
見事だったのはこのペースを2番手につけて最後まで耐え抜いたダイワメジャーだろう。それも最後抜け出して「ソラを使った」とあるからそのスピード能力は非凡。これまでマイルは4戦して全て1分32秒台、不得手な府中で行われる安田は少々不安だが、少なくとも右回りのマイル戦では今後も相当のパフォーマンスを見せてくれることが期待できる。
ラインクラフトはまだ力が厳しいと思ったのだが、この厳しい流れを差してくるのだから見事。おそらくレースのペースから考えて、9番手につけていたこの馬は前後半のラップがほぼ変わるまい。ベストポジションであり、騎乗も見事であった。ダンスも頑張った。
今回、道中10番手以降につけていた馬で掲示板に乗ったのはハットトリックただ1頭。本当のスピード能力をもつ馬がいたときには、よどみないラップを刻まなければ厳しく、そういう意味ではかなりレベルの高いマイル戦であったといえる。1〜3着はいずれも4歳、4歳、3歳とこれからの馬で、今後の日本のマイル戦線はかなり高いレベルで混戦を迎えつつあると期待できる。そして掲示板に乗った馬たちはいずれも2000mの重賞でも好パフォーマンスを示している馬たちで、本当にレベルの高いマイル戦ともなると、それなりのスタミナも要求されることを忘れてはならない。