天皇賞回顧

1000m通過が62.4秒。超スローだ。これでは折り合いに苦労する馬もいるであろう。リンカーンなどは前半少々かかり気味であった。これだけスローであれば前が止まらないので前馬有利、と普通はなるが、タップは直線でそこまでの脚がつかえる馬ではなく、寧ろ望まないところ。かといってこれでは追い込み馬は辛すぎる。
ロブロイの位置は絶好であった。完全な勝ちパターンであったが、直線の切れ味勝負ならば実はヘヴンリーRも2200mで上がり33.0秒の足を使ったことがあり望むところ。走る気をようやく出してきたダンスと共に今年も牝馬が好走した。と、回顧してもよいのだが、気になる点が二点。
一つには、完全にロブロイの脚色が勝っていたところに、最後の直線20〜30mで突然ヘヴンリーRがぐいっとアタマ差差し返したのが非常に気になる。最後は脚色勝負ではなく勝負根性の世界。ということはヘヴンリーRの勝負根性がそこまで秀でていたものなのか・・・?「内にもたれた」とはノリの回顧だが、もたれながらも猛然と差してきていたのだから、それは最後の差し返しの理由にはなるまい。
二つ目はタップダンスの今回のレースの進め方だ。この馬は道中スピードを緩めることなく、特に3〜4コーナーで後ろを引き離すことにより競馬を作ることができる馬。スローからの直線勝負では分が悪い分かっているはずの哲三がなぜに敢えてひかえたのか・・・?「あそこで前に出て競馬ができるわけでもない」とは哲三の回顧だがそれは嘘だ。
結果的に天皇皇后観戦時に礼儀正しい幹夫&色のある牝馬が勝利したということで華やかさは十二分に演出された。これ以上は完全な憶測の世界なので割愛する。
スタミナ勝負にならなかったところでマイラーにとっては有利になった。とはいえ、安田からの休み明けで猛然と追い込んだアサクサDは次走のマイルCSで十分に期待できよう。そして次走に向けて収穫があったのはタップダンスも同じ。不利な直線勝負で足は止まっているわけではなく、衰えの見えない8着。距離の伸びる次走では展開次第では面白い。



そういえば、途中で「天皇・皇后両陛下が行幸啓〜〜〜」というアナウンスがありましたが、なんでも「行幸啓」という言葉は天皇・皇后がくる時に使う言葉みたいですね。そんな言葉があるなんて初めて知りました。(´ω`) ちなみに皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃が外出する場合は「行啓」というらしいです。夫婦水入らずの時には幸せもついてくるということかな、なんてね。(。´ー`)