皐月賞回顧


1着 ディープインパクト
2着 シックスセンス
3着 アドマイヤジャパン


ペースは12.1 - 11.0 - 11.9 - 12.2 - 12.4 - 12.6 - 12.5 - 11.8 - 11.4 - 11.3 中山の2000だけに最初のコース取りにやっきになる先行馬が多く、それが2ハロン目に表れている。だが逃げたのが善臣のビッグプラネット。飛ばして逃げるタイプではなく、途中ペースが落ち着き、上がり勝負。前後半のラップ差がゼロということでは見事な平均ペースといえよう。
このレースに勝とうとするならば考えるべきことは一つ「打倒ディープインパクト」。とにかく上手かったのはアドマイヤジャパン鞍乗の横山典弘だ。不利な外枠16番枠ということもあり、最初の2ハロンでいち早く先手を取り、インに切れ込み、ベストポジションを確保。ここからが見事。そこからの2ハロンで馬を少しだけ休ませ、善臣の逃げでペースが緩やかになるとみるや、ほんのわずかずつ自分のポジションを徐々に徐々に上げていったのだ。ディープインパクトの上がり脚は誰しもが知るところ。それに合わせていては勝てないと前に行く馬が出てくるため、4コーナーではペースが速くなる。後藤のマイネルレコルトなどはその典型であった。だがそこで脚を使わないようにすむように、典弘は先手を取っておき、4コーナーでは馬なりのまま。するべきことはごちゃつきやすい中山の直線のインコースを嫌い、少しだけ外に出すこと。だがここでも前がばらけるとみるや必要以上に外に出すのをやめた。折り合いのつきやすいジャパンだからこそだが、馬の力を最大限に引き出すとはこれをいうのだろう。しかしそれでもこの結果。「完敗」と言わざるを得ない。
勝ったディープインパクトについては言うことはあるまい。好騎乗などといったものではない。モノが違う。中山2000で外、外を回りまくり勝つのだから他の馬との差は3枚くらいはあろう。
次回に向けて展望が開けたのがアドマイヤフジだ。祐一は最後の脚を使いたかったのだろうが、ハッキり言って今回のは悪騎乗だ。ペースが落ち着くのも読めずに、好スタートをきったと思ったらすぐに自分のポジションを下げてしまう。これではせっかくの1枠もなんの意味もない。結局外、外を回り、器用な馬ではないのだろう。4コーナーでは大きく外にふくれてしまう。ペースの上がったところでまくったにもかかわらず最後脚が止まらないあたり、正にダービー向きだろう。
この世代の今後の焦点は「いかにインパクトを潰すか」にある。だが岡部が引退し、攻撃的な競馬ができる騎手が更に減った今、誰がどのようにして潰せるか。快進撃は止まりそうにない。