競馬回顧

毎日王冠


流れはキッパリスロー。間違いなくローエングリンの勝ちパターンであった。しかしそれを最後方から差し切ってしまうのだから、テレグノシスというのは最後の爆発力は大したものだ。府中の直線だと必ずいい脚を使う。最後の直線で温存しておいた力を爆発させる術を、馬自身が分かっているのだろうか。距離不安はあるがマイルCよりは天皇賞で面白いかもしれない。


京都大賞典


逃げ馬不在。展開の利を狙ってかダイタクバートラムが引っ張りスローに落とす。岡部鞍乗のゼンノロブロイは2番手インでじっくり脚をため、直線で満を持しての仕掛け。突き放そうとするも、最後はナリタセンチュリーの強烈な追い込みに差される。岡部は完璧だった。ゼンノロブロイとしては1年ぶりにやっとまともな騎乗をしてもらえたというところだろう。しかしGⅠ級は間違いのないところだろうが、どうもこの馬は一瞬の爆発力にかける。仕掛けて数完歩で他馬を一気に置き去りにするといったところがない。
アドマイヤグルーヴは最後失速で4着に終わるも、これはいたしかたのないといったところか。本来は後ろで脚をためたかったところだろうが、このスローの中、牝馬が57kgを背負わされては追い込みきれるわけもない。豊も渋々3コーナーで外から進出するも、気性の悪さが顔を見せひっかかってしまう。
それにしてもナリタセンチュリーの脚は大したものだった。3着馬とは明らかに離れており、この馬さえいなければゼンノロブロイは完全な勝ちパターンであった。しかもスローの流れで完璧な騎乗を見せたロブロイを一気に差し切ったところに価値がある。これは簡単にフロック視はできないところで、この先が非常に楽しみである。この脚を安定して出せる力があるとすると、一気にGⅠ有力候補に急浮上であろう。